「さぽんて」は、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人が、つながり合い助け合えるプラットフォーム。
看護師・保健師・助産師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士が「さぽんて」に登録しており、いつどんなことをお願いしたいのかをリクエスト掲示板に書き込むと、有資格者が挙手して個別に連絡を取り合いサポートをする仕組みになっています。
（2024年11月現在：対象地域は札幌市）
普段は地域の通いの場や子育てサロンでのボランティア活動も行っており、今回は初めて医療的ケア児のご自宅に伺ってのサポートを行なった作業療法士さんにインタビューしました。
「さぽんて」をどこで知りましたか？
療育につながる前に困っているお母さんがたくさんいるということで、ある作業療法士さんが子育てサロンや講習会を開催していて、参加してみた際に、札幌でのインフォーマルサービスや活動を紹介しており、そのひとつに「さぽんて」がありました。
なぜやってみようと思ったのですか？
「さぽんて」を探して仮登録を行い、有資格者向けのzoom説明を聞いて、「もしかしたら私にもできることがあるかも」と思って、登録しました。
今回のモニター企画
内容
母親がきょうだい児の学校行事への参加するために、医療的ケア児（Aくん）との1時間強の留守番とデイサービスへの送り出しをしました。
※代表の高橋（在宅小児経験のある看護師）も同行できる場で、小児経験のない有資格者にも体験していただいています。
気付き・感想
事前の不安
医療的ケア児のご自宅に伺うのは初めてでしたが、高橋さんも一緒ということや、イベントで医療的ケア児とお母さんとの交流をした経験、訪問リハビリを行っていたので初対面の方のご自宅に伺う経験もあったので、不安より楽しみが大きかったです。
Aくん・弟くんとのコミュニケーション
訪問リハビリの経験から、ご家庭によっての常識が異なるということが頭にあったので、このご家庭では、どんなことをすると良いか、どんなことが嫌なのか、考えながら伺いました。
Aくんは宇宙が好きだと聞き、「私も宇宙飛行士になりたかったんだよ」とお話しすると、「えー！びっくり！」というような表情をしながらニコニコしてくれて、とても嬉しかったです。
少し前に、きょうだい児支援の研修にも参加したことがあったので、初めましての人が家に来た時に、Aくんだけに注目するかたちにならないように、弟くんが寂しい思いや嫌な思いをせず少しでも楽しいひとときを過ごしてもらえるようにと、心がけました。
お兄ちゃんの影響で弟くんも宇宙が好きになり検定の勉強したり、宇宙関連の施設の家族旅行を計画していたり、医療的ケアの有無に関わらず「お兄ちゃん」なんだなと、改めて感じました。
デイサービスに行く前に疲れさせてはいけないなとも思い、どんな内容で、どれくらいあそんでも大丈夫なのかなという塩梅が、初対面では難しかったです。
お母さん
お母さんは、家事、妹ちゃんや弟くんとご自身の外出準備、Aくんの準備と、せわしない中でも明るくテキパキしていて、すごいなと思いました。
祖父母の協力や公的サービス、有償ボランティアなど、人に任せられるところは任せて、バランスをとっているんだろうなと思いました。
「さぽんて」のようなサービスは、お母さんにとっても、必要なものなんだろうなと感じます。
少しの時間でしたが、家族で一つ一つ乗り越えてきて今があるんだろうなと思いました。
デイサービスへの外出準備
デイサービスに行くにも荷物がたくさんで大変だなと思いましたが、少ないほうだと聞き、驚きました。
私も2人の子育てをしてきましたが、小さい頃は子供を連れてお出かけするだけで、ヘトヘトでした。
医療的ケア児とお母さんは、お出かけすることは楽しいことではあるけど、万が一のことを考えての荷物や心づもりをしながら、たくさんのやることがあるんだなとわかりました。
“小児”にハードルを感じる方へ
初めてのことには「怖い」という感情が生まれるかもしれませんが、やってみたら楽しいこともわかりますし、これまで知らなかったことを知る機会にもなり、視野が広がると思います。
医療職は、医療の現場だけしか知らない人も多いので、普段の仕事の分野と違うからこそ、新しい発見もあります。
実際に体験してみて、同行できる機会に、みなさんもチャレンジしてみるのも良いのではと思いました。
「さぽんて」とは
医学の進歩や高齢化によって、疾患や障害と共に地域に暮らす方も多い一方で、保険制度内でのサービスのみでは満たしきれないニーズも多く、今後も増えることが予想されています。
この社会課題を解決するべく、NPO法人あえりあが2021年7月に札幌市でβ版をリリースしたのが、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人が、つながり合い助け合うプラットフォーム「さぽんて」です。
医療・福祉・介護は、誰もがいつか必要になるもの
みなさんと一緒に、医療・福祉・介護の制度の隙間になってしまっているニーズに対し、有資格者が有償ボランティアで助け合うことのできる仕組みを広げていきたいです。
制度内サービス、地域のボランティア、町内会や運動サロン、そして「さぽんて」のような有資格者の有償ボランティアなど、地域住民が選択肢を多くもち、必要な時に必要なものをチョイスできることが、これからの高齢社会ではますます必要となります。
主に「さぽんて」の運営資金として、個人でのマンスリーサポーター（月1,000円～）や、CSRやSDGsの活動としてのご支援なども、募集しています。
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