2025年7月より、札幌市教育委員会児童生徒担当部学びの支援担当課様に「さぽんて」をご利用いただいています。
市立の小学校や中学校通う肢体不自由等がある生徒に対して介助を行う「介助アシスタント」として、宿泊研修に同行した“さぽメン(サポートする有資格メンバー)”である介護福祉士さんに、インタビューさせていただきました。
小学校の宿泊研修に「介助アシスタント」として同行
障害のある児童の介助をする「介助アシスタント」として、1泊の宿泊研修に同行しました。
※「さぽんて」としても、教育委員会としても、学校としても、初めての試みであったため、今回のケースで課題としてあげられたことは、情報共有しながら検討していきます。
「さぽんて」に登録したきっかけ
勤務先で、「さぽんて」で活動したことがある人がいて、教えてもらいました。
知ってから登録までは数ヶ月あり、登録作業が面倒だと思っていましたが、介護福祉士でも需要があるということを実感した時に、登録しました。
宿泊研修のリクエストに挙手
普段働いている居宅介護の利用児が、介助アシスタントを利用して普通級に通っていて、介助アシスタントや学びのサポーターに興味を持ちはじめ、学校でどう過ごしているのかな?と思っていたタイミングに、リクエストが投稿されていたので、「やってみよう!」と思いました。
挙手をするとすぐにチャットの返信があり、実際に同行する学校の担当者につないでくれました。
事前準備
一度学校へ行き、挨拶と必要書類をもらい、後日改めて児童・母親・先生・校長・教頭などの打ち合わせがあり、当日のスケジュールや介助方法について申し送りを受けました。
児童のADLや普段の介助方法などは、この日に初めて知ることになります。
普段、事前にしっかり情報収集・情報共有をしてから訪問するような仕事をしているので、その場で情報を得ながら臨機応変に対応するという、有資格者側が柔軟さを持ち合わせることも必要だなと感じました。
今回は、理学療法士さんと一緒に、2人で同行するものだったため、可動域や介助方法などは、理学療法士さんに頼って実施しました。
身体介助が多い場合は、理学療法士や作業療法士がいてくれると安心だなと思いました。
当日
すごく楽しかったです。
障害のある子を取り巻く環境もみえました。
初めて親から離れての宿泊で、お母さんも「こんなに笑うんだ」と言ってくれて、本人もすごく楽しんでいました。
お友達との関係性も良く、まさにインクルーシブだなと感じました。
介護の仕事をしている自分自身のほうが、「障害があると、みんなと一緒に学校生活を送るのは難しいんだろうな」と思ってしまっていた部分があったのだと、気付かされました。
観光バスに乗る
車椅子からタンカーに移乗(バスの近くでレジャーシートを敷き、その上に広げたタンカーに臥床する)し、一般的な観光バスの狭い空間で、大人2人で持ち上げてバスの中を進み、直角の座席に座る、という移乗介助は、とても労力がかかる動作でしたが、理学療法士さんと一緒だったため、工夫しながら実践できました。
屋外での活動
滝野すずらん公園内の根や葉も多くぬかるんでいる道を、用意してくれていたJINRIKIを使いながら車椅子を押して歩くのは、とても大変でした。
他のお友達と全く同じコースに参加できたことは良かったですが、車椅子のタイヤのパンクや、根につまづいて転倒する危険もあるコースであったため、計画の段階からもう少し介入できると良いと思いました。
宿泊施設
宿泊施設では、特に問題はありませんでした。
屋外での活動で足も冷えていて浮腫んでもいたので、足浴をしたところ、学校の先生からは「私たちでは思いつかなかったです」と、有資格者ならではの視点でのサポートができたと思います。
美術館
全くバリアフリーではない建物でしたが、見せてあげたいですし、美術館で実施する課題もあるので、先生と一緒に車椅子ごと持ち上げたり、長い階段はタンカーを活用して、移動しました。
全体を通して
子供たちの社会に入ることは、日常生活でも仕事でもあまりないので、この経験をすることができて良かったです。
先生方とお話しをする機会も多く、教師の視点も知ることもできましたし、地域の学校で障害児に関わる教師の課題も知ることができました。
また、先生方の介助方法を見ていると、ボディーメカニクスを考えられていない方法で実施しており、普段の学校生活での無資格者の介助アシスタントも同じような方法を行なっている可能性があるなと感じました。
先生や介助アシスタントの身体への負担を軽減する介助方法など、「さぽんて」の有資格者が指導できる機会があると、長く続けられる介助アシスタントも増えるのではないかと思います。(NPO法人あえりあから、研修の必要性を教育委員会に提案させていただきました。)
「さぽんて」とは
医学の進歩や高齢化によって、疾患や障害と共に地域に暮らす方も多い一方で、保険制度内でのサービスのみでは満たしきれないニーズも多く、今後も増えることが予想されています。
この社会課題を解決するべく、NPO法人あえりあが2021年7月に札幌市でリリースしたのが、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人が、つながり合い助け合うプラットフォーム「さぽんて」です。

登録制で、“リクエスト掲示板”に、いつ、どこで、どんなことを、いくらくらいでお願いしたいのかを書き込み、サポートできる有資格者が自ら挙手して有償ボランティアを実施できる仕組みとなっています。

リクさぽ
・サポートをリクエストする人。
・障害児者・疾患やご高齢によりサポートを要する方とその家族 (WEBサービスであるため、ご本人が操作困難である場合は、ご家族によるご登録・ご利用も可能です)
・プラットフォーム利用料として、1,100円/月
(お得キャンペーン中で220円/月!)
※対象地域:札幌市内のみ
さぽメン
・サポートするメンバー
・看護師・保健師・助産師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士
・有償ボランティア
医療・福祉・介護関連の施設
・スポットのリクエストを掲示板に書き込み、募集することができます。
・プラットフォーム利用料は、さぽんて料金表をご覧ください。
・リクエスト内容は、スポット依頼に限らず、イベントのお手伝い(写真係やブログ記事のライティングなども)、施設内研修の講師、レクリエーションのプログラム考案など、直接的な現場の業務以外も可能。
・人材採用に至った場合も、手数料はいただきません。
人材採用において、ミスマッチを減らすことが、雇用主・有資格者の双方にとってメリットになると考えています。
医療・福祉・介護は、誰もがいつか必要になるもの
みなさんと一緒に、医療・福祉・介護の制度の隙間になってしまっているニーズに対し、有資格者が有償ボランティアで助け合うことのできる仕組みを広げていきたいです。
制度内サービス、地域のボランティア、町内会や運動サロン、そして「さぽんて」のような有資格者の有償ボランティアなど、地域住民が選択肢を多くもち、必要な時に必要なものをチョイスできることが、これからの高齢社会ではますます必要となります。
主に「さぽんて」の運営資金として、個人でのマンスリーサポーター(月1,000円~)や、CSRやSDGsの活動としてのご支援なども、募集しています。
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