「さぽんて」の体験談を聞いてみよう!~リクさぽ・法人編~

2026年最初のZoomセミナーは「さぽんて」を実際に利用している方の体験談を聞く会でした。
「リクさぽ(サポートをリクエストする人)」として難病のご家族の留守番を依頼した大山さんと、法人登録をして病院受診や買い物の同行に「さぽんて」を活用しているTASUKE愛サロン代表の佐々木さんのお話。
「さぽんて」をどう利用しようか迷っている方にも、「さぽメン(サポートする有資格メンバー)」にも、今後のヒントになる貴重な機会となりました。

※「さぽんてzoomセミナー」を記事起こししたものです。

個人の「さぽんて」利用例~大山さんの場合

大脳の難病をもつ夫のサポート(留守番)を依頼しました。
夫は10年ほど前に発症し、今は寝たきりで瞬きの反応があるのみで、全てのケアを私が在宅で担っています。
人工呼吸器のアラームが鳴ったら、昼夜問わずすぐに対応しなくてはなりません。
介護保険制度の中ではケアする側の私の時間がなかなか持てず、買い物に行く時間が無い、美容院にも行けないという状況でした。閉塞感を感じ始めていた時に「さぽんて」を知りました。
実際にサポートを依頼したところ、自分のしたかったことを実現できたり世界が広がったりと、一気に生活が活性化しました

難病の方の日常生活って?

看護師さんの日勤と夜勤が一年中続くような状態です。
2時間おきにサクション(痰吸引)をし、朝・昼・晩の栄養やその合間の時間には水分を胃ろうから注入します。
更に、一日に3~4回訪問介護サービスの方が来てくれるので、訪問のための準備や片付けを含めて日中私が座る時間はほぼ無い感じです。

「さぽんて」を知ったきっかけ、使った経緯は?

訪問の言語聴覚士さんと「冬はなかなか外出できない」という話をしていて、その方が「雪まつりに、バギーにスキーを付けて出掛けている子どもたちの記事を見た」と教えてくれたのがきっかけです。
検索したらその記事が出てきて、主催している「NPO法人あえりあ(さぽんてを運営)」を知りました。
速攻その日のうちに「さぽんて」に登録しました。

が、実際にリクエストを投稿するまでは2~3か月の間がありました。
夫は気管切開をしたばかりで外出のイメージも持てなかったため「何を依頼すればよいのか」を考えていました。
介護サービス内では出来ないことで利用したいと思っていた時に、以前から夢だった富士登山のツアーとその説明会のチラシを目にして「これだ!」と。

人工呼吸器の夫を一人にすることは出来ず、訪問サービスでは限られた時間しか来てもらえないのですが、サービスとサービスの間を留守番してもらえたら説明会に参加できると考えました。

代表 高橋
代表 高橋

大山さんが長時間外出出来たのは、小児でいう「在宅レスパイト」代わりのような感じですね。
札幌市でも小児の在宅レスパイトは始まってきていますが、成人ではなかなか無いのが現状です。

「さぽんて」を利用してみて

長時間家を空けることが出来ない生活を送っていたのですが、久しぶりに世間に出られて自分が活性化しているのを感じました。
3~4時間あるとこんなに活動できるという実感が、その後の訪問サービス調整にも繋がりました(今は、月曜日の4時間サービスを連続して自由時間を確保しています)。
楽しい思いで帰宅しましたが、一番は安心してお任せして気軽に出掛けられたことが大きな収穫でした。

不安はなかった?

最初にリクエストを出した時、お2人が手を挙げてくださいました。
チャットでやり取りしていると、それぞれの方の得意分野やお人柄が分かり「今回は別の方にお願いするけれど、こういう時にまたお願いできますか?」と会話を膨らませることが出来たので、選ぶ不安も断る不安もありませんでした。
事前のやり取りでお願いしたいことも伝えられて、心配なく当日に臨めました。

代表 高橋
代表 高橋

リクさぽ登録している方は「どんな人が来るのかな」「自分と合うのかな」「介護が必要な人と二人きりで留守番して大丈夫?」など不安をもつかもしれませんね。
大山さんは「何時に何を(栄養、サクションなど)してほしい」というタイムスケジュールを事前に送ってくれて分かりやすかったです。
また、物の置き場がパッと見て分かる状態なので活動しやすかったです。
実際にお会いした時に申し送りが少なくスムーズにお出掛けしてもらえました。
依頼内容の事前連絡は互いの安心感のためにもオススメです。

今後のリクさぽは?

今年の願いは「夫をキャンプに連れて行く」なので、ぜひアウトドアが得意な方に力を貸してほしいと思っています。
まずは札幌近郊でのデイキャンプから始めたいです。

代表 高橋
代表 高橋

大山さんの留守番の場合、医療的ケア(サクション、胃ろうからの栄養)があるため事前に主治医から指示書をもらう必要がありました。
でも、奥さんが一緒に活動する場合はその必要がないので「医療的ケアは奥さんが」「アウトドアを一緒に楽しんでくれるさぽメンと遊ぼう」という感じで楽しめるといいですね。

「さぽんて」の楽しみ方

昨年、北大イベントや音楽会に参加して医療的ケア児のお子さんやご家族と交流しました。
私のケアとは全然違うお子さんならではの苦労も、お子さんだからこそ楽しませてあげたいご家族の行動力にも触れることが出来ました。
バギーと車いすで並んで歩きながら呼吸器比べをしたり、福祉車両を見合ったり、情報交換が楽しかったです。

「さぽんて」を知ったことで世界が広がりました。

家の中でのんびりしている介護とは違い、一緒に活動出来る楽しさ社会に参加出来る喜びを感じましたし、知り合いが広がる嬉しい経験でした。

医療的ケアは出来なくても「ちょっと車椅子を押して手伝ってほしい」「一人で全部ケアしているけれどしんどい時に話を聞いてほしい」そんなリクエストを気軽に出せる存在として「さぽメン」の皆さん、今後もよろしくお願いします。

法人の「さぽんて」活用事例~TASUKE愛サロンの場合~

TASUKE愛サロンってどんな法人?

介護保険外の自費サービスでの支援や、身寄りのない方の身元保証をしている会社です。
僕の会社で対応しているお客様に向けて「さぽんて」のサービスを利用して、サポートの範囲を広げる協力をいただいています。
老人ホームの紹介事業の仕事をしていた時に、住み家の提供だけでは対応できない介護制度の限界があることが分かりました。
介護に関する資格はもっていないので身体介護は出来ないけれど、会社として自費サービスで困りごとをサポート出来ないかと考えたのが始まりです。

調べたり話を聞いたりするうちに、施設が行っている「病院付き添い」は介護保険外であり、交通費の他に施設側が設定した利用料を別途支払っているため利用者にとっては金銭的にかなりの負担だということが分かってきました。
生活保護の人や頼れる家族のいない人などは特に負担が大変だと知り、その部分をサポートしてお役に立ちたいと会社を立ち上げました。

持続可能なサポートの工夫

単発で一回だけのお手伝いではなく、継続的にサポートするために会員制にしました。
会費をいただく分、サービスを安く提供できる仕組みです。
施設に入居する方や生活保護の方の生活実態は分かっているので、払える額の利用料にして、所得に応じて毎月の費用設定を変えています。
複数回利用する方やご家族がいない方、遠方で支援が難しい方や家族関係が良くない方にとっても、人手不足の施設側にとっても便利な存在になっています。

代表 高橋
代表 高橋

病院付き添いや買い物同行の際に「看護師の方がいいな」「身体的な介助を伴うから安全のためにも専門職が行ってくれるといいな」という案件を佐々木さんが「さぽんて」に投稿してくれています。

更に、サポート実施前にZoomで佐々木さんとさぽメンがお話する時間を設けてくれているので、その方の情報やサポート内容を打ち合わせ、当日は直接施設に向かう形になっています。

ご本人が「さぽんて」に登録できなくても、間にTASUKE愛サロンを挟むことでサポートが成立するのです。

実際に利用した方の反応は?

施設側は、最初僕ではない人が行くと伝えると驚いていましたが、有資格者であることや「さぽんて」の情報を共有すると納得して対応してくれました。
その時の「さぽメン」がとても丁寧な方で、お手洗いのタイミングまで施設側に報告してくれたため「ここまでしてくれて、とても安心」「またお願いしたい」という反応でした。
利用者さんご本人は、寄り添って話を聞いてもらえてとても嬉しそうに帰ってきたそうです。

僕の同行だったらそこまで心情のケアまで出来なかったかもしれません

継続的な協力を!

「さぽんて」には思いをもって参加している「さぽメン」の方が多く、得意分野が利用者さんにハマるととても喜ばれるサービスなので、継続的に頼める体制やスタッフ数が充実してくると有難いです。

病院受診は日時が決まっていますが、買い物同行は都合の良いタイミングで大丈夫なので、迷っている方は気軽にTASUKE愛サロンのリクエストに挙手してみてください

こちらとしても、どういう方が興味をもってくれていて、どういう事が出来るのかが分かると直接リクエストが出来るので、一度話をさせてほしいです。
「できそうだな」「興味あるな」という方はぜひお願いします。

参加した皆さんから

さぽメン Iさん
さぽメンに登録して2か月の看護師です。
趣味はアウトドアで、キャンプが好きです。
夏は家族でずっと外にいるような生活をしています。
大山さんの話を聞き「お手伝いができたら」と思っているのでぜひリクエストをしてください。
夫もアウトドア好きで、子どもたちも連れていくことになると思いますがよろしくお願いします。
「さぽんて」の活動について改めて聞けて、本当に素晴らしい活動だと感じています。
これから札幌がボランティアで支えられる社会になるよう、どんどん活動していきたいと思います。

代表 高橋
代表 高橋

リクエストを早めに出すと良いですよ。

看護師はシフトで動くので、希望休は「前の月の5日までに翌月分を出す」という流れなので、絶対にやりたいことは「何月にやりたい」「お手伝いの方と予定を合わせたい」とリクエストを出すのがポイントです。

手を挙げてくれた中で合う方にお願いし、何なら2組くらいでワイワイやるのもいいかもしれませんね。

リクさぽ Kさん
一昨年の「北大に紅葉を見に行くイベント」に参加しました。
一度だけ試しにリクエストしたのですが、直前だったこともあり叶わなかったです。
いろいろと書くのに迷いました。
単刀直入に聞くと、有資格者の方にお願いするとなるとお支払する金額の相場が分かりませんでした。
あまり低く出しても失礼なので…。

代表 高橋
代表 高橋

さぽメン一覧のプロフィールを見ると、希望時給が書いてあるのでそれが目安でしょうか。

リクエストを出すときに金額を明記してもいいですし、「1時間当たり1,000円~2,000円の間でしてくださる方」と幅を持たせて書いて、相手が言った金額にする方法もありますよ。

人によって価値観は様々ですが、有償ボランティアだからこそ1,500~2,000円の感覚の方が多いように思います。

その時に負う責任の重さ(医療的ケアの有無、ご家族の同席の有無など)によって変わる面もあり、困ったときは連絡をくだされば相談に乗りますよ。

介護される側やご家族が「手伝ってもらって申し訳ない」という思いを抱くのではなく、さぽメンやそのご家族と一緒になって楽しめるのが理想です。

Zoomセミナーで顔を合わせた同士が「この間はどうも」とスムーズにサービスに入れたり、イベントに参加して知り合うことでリクエストが出しやすくなったりと、「さぽんて」の輪がもっと広がる一年にしたいですね。

「高齢者にさぽんてを広げていく」ことはデバイスを使いこなす部分で難しさがあるのですが、TASUKE愛サロンさんのように間に入ってサポートしてもらえると、依頼側の負担が減り、さぽメンの安心感にも繋がるので今後のリクエストに是非挙手してほしいと思います。

「さぽんて」とは

医学の進歩や高齢化によって、疾患や障害と共に地域に暮らす方も多い一方で、保険制度内でのサービスのみでは満たしきれないニーズも多く、今後も増えることが予想されています。

この社会課題を解決するべく、NPO法人あえりあが2021年7月に札幌市でリリースしたのが、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人が、つながり合い助け合うプラットフォーム「さぽんて」です。

登録制で、“リクエスト掲示板”に、いつ、どこで、どんなことを、いくらくらいでお願いしたいのかを書き込み、サポートできる有資格者が自ら挙手して有償ボランティアを実施できる仕組みです。

リクさぽ

・サポートをリクエストする人。
障害児者・疾患やご高齢によりサポートを要する方とその家族 (WEBサービスであるため、ご本人が操作困難である場合は、ご家族によるご登録・ご利用も可能です)
・プラットフォーム利用料として、1,100円/月
(お得キャンペーン中で220円/月!)
※対象地域:札幌市内のみ

さぽメン

・サポートするメンバー
看護師・保健師・助産師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士
・有償ボランティア

医療・福祉・介護関連の施設

・スポットのリクエストを掲示板に書き込み、募集することができます。
・プラットフォーム利用料は、さぽんて料金表をご覧ください。
・リクエスト内容は、スポット依頼に限らず、イベントのお手伝い(写真係やブログ記事のライティングなども)、施設内研修の講師、レクリエーションのプログラム考案など、直接的な現場の業務以外も可能。
人材採用に至った場合も、手数料はいただきません。
人材採用において、ミスマッチを減らすことが、雇用主・有資格者の双方にとってメリットになると考えています。

医療・福祉・介護は、誰もがいつか必要になるもの

みなさんと一緒に、医療・福祉・介護の制度の隙間になってしまっているニーズに対し、有資格者が有償ボランティアで助け合うことのできる仕組みを広げていきたいです。
制度内サービス、地域のボランティア、町内会や運動サロン、そして「さぽんて」のような有資格者の有償ボランティアなど、地域住民が選択肢を多くもち、必要な時に必要なものをチョイスできることが、これからの高齢社会ではますます必要となります。

主に「さぽんて」の運営資金として、個人でのマンスリーサポーター(月1,000円~)や、CSRやSDGsの活動としてのご支援や協賛なども、募集しています。
https://aeria-hp.com/support/

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