NPO法人あえりあの代表理事 高橋亜由美(看護師)は、重症心身障害児(医療的ケア児)とその母親のディズニーシー旅行(2泊3日)に有償ボランティアで同行してきました。
「行けるかも」「行ってみたい」「やってみたい」につながると嬉しいです。
中途障害の中学生の男の子。遷延性意識障害。移動はバギーに乗車。
身長 約150cm
体重 40kg弱
医療的ケアは、気管切開(夜間のみ人工呼吸器)、吸引、カフアシスト、吸入、胃瘻。
日常生活では状態が安定しており、特別支援学校やデイサービスに通っている。
「医療的ケアがあっても旅行に行ける、自分たちも行きたい、と思ってくれる人がいてくれたら嬉しい」と、SNS、WEBサイト等への写真の使用と情報提供にもご協力いただきました。
飛行機
医療機器の持ち込み、機内用のリクライニング車椅子への乗り換え、機内で座席に座る工夫などは、沖縄旅行の報告記事をご覧ください。
ディズニーシー
障害者割引
障害者割引のパークチケットがあります。
アトラクションなどの利用には健常者の同伴が必要となっています。
くわしくは、公式ホームページ「障がいのある方向けのパークチケットについて」をご確認ください。
ディスアビリティアクセスサービス
合流利用サービス
長時間列に並ぶことが難しい方と対象とした、ディスアビリティアクセスサービスや合流利用サービスがあります。
バギーを押してパーク内を歩く
写真では伝わりにくいですが、ディズニーシーは、とにかく坂だらけです!
移動にも使えるアトラクション
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ
アメリカンウォーターフロントとポートディスカバリーに乗り場・降り場があります。
坂の多いディズニーシーでの長距離移動は大変なので、エレエクトリックレールウェイに乗って景色を楽しみながら移動するのも良いです。
乗り降りは、隙間がほぼなく、若干の段差のみです。
他の乗客の方が乗ってから、一番最後に乗り込みます。
1つの車両(2両編成)に、バギー・車椅子・ベビーカーが1台しか乗れないので、お友達と一緒に行く場合は乗る車両が分かれます。
前にバギー・車椅子・ベビーカーの方がいる場合は、次の列車を待つことになりますが、すぐに次の列車がやってきます。
ディズニーシー・トランジットスチーマーライン
乗り場が3箇所あり、メディテレーニアンハーバーは、一周回って同じ場所に戻ってきます(下の図の赤点線)が、アメリカンウォーターフロントとロストリバーデルタは移動に活用できます(青点線)。
エレクトリックレールウェイと同様に、乗り降りは若干の段差のみで、船はしっかり固定されているのでさほど揺れません。
一番前の席の前が広くなっており、バギーのまま通過できます。
座席の一部が畳めるようになっており、スペースが確保されているので、真横だけではなく進行方向側に斜め前に向くようにバギーを停めることもできます。
アトラクション&ショー
ヴェネツィアン・ゴンドラ
バギーのままでは乗れず、抱っこで乗って座席に座ることができる場合は乗ることができます。Sくんは、水上のゴンドラに女性2人で移乗するのは不安要素が多く、断念しました。
トイ・ストーリー・マニア
福祉車両のスロープのようになっている乗り物があり、バギーのまま乗ることができます。
スロープをのぼりバギーのブレーキをかけた後、キャストさんがバギーを固定している間は、介助者は緑の柵の外で待機しなければいけません。
そして、介助者が座席へ乗り降りできるように乗り物を90°回転させるまで、バギーの子は一人で乗り物に乗っている状態になります。
柵の外で完全に離れて見守らなければいけないのは、少しそわそわしました。
バギーのまま乗れる乗り物は、介助者1名しか乗れませんが、すぐ前の乗り物に2名×2が乗ることができます。
思っていたよりも、激しめにグインっと回転します。
降りる時は、介助者が乗り物から降りて、柵の外で待ち、乗り物を90°回転させてスロープを出してから、介助者が再び柵の内側に入ってバギーが降りることができます。
その間、一つ前の乗り物に乗っている同行者は、乗り物にのったまま待機です。
一般の方の乗り場とは違う場所で乗り降りしてコースに出ていくため、他の方を待たせるかたちにはなりませんので、ご安心ください。
トイ・ストーリー・マニアの出入り口の横で、ポテトヘッドのショーも楽しみました。
マジックランプシアター
中列あたりの通路の前に、バギーや車椅子のスペースがあります。
座席4席、1台分のスペース、座席4席、1台分のスペースという感じで横に並んでおり、一度に数名のバギーや車椅子の方が観れるようになっています。
マジックランプシアターのあるアラビアンコーストには、ユニバーサルシート付きの多目的トイレがあります。
広くて使いやすかったです。
キャラバンカルーセルは、遠心力がかかるため、バギーのタイヤをぴったり固定しなければいけないらしく、タイヤの後にブレーキのペダルがあるタイプのバギーでは、乗れませんでした。
ビックバンドビート
※ショーが始まったら撮影禁止です。開演までの時間はOKです。
エントリー受付を行い、指定の時間に間に合うように向かいます。
マジックランプシアターと同様に、バギーや車椅子のスペースがあります。
キャストさんに確認したところ、飲食OKとのことでしたので、お昼の注入も行えました。
列に並んでいる時は注入できないですし、移動も多いので、どうしても注入の時間がずれてしまいます。
落ち着いて注入できて助かりました。
フォートレス・エクスプロレーション
エレベーター前の通路が狭めで、バギー・車椅子・ベビーカーがエレベーターの乗り降りですれ違うのはギリギリですが、Sくんの大きめなバギーでも見て回れました。
ビリーヴ
ナイトタイムエンターテインメントショー。
車椅子専用スペースがあります。
数カ所あるようですが、今回は、ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテの前の辺りの車椅子スペースで鑑賞しました。
キャストさんに声をかけると、案内してくれます。
介助者のみでなく同行者全員が一緒に観ることができますが、もしもバギー・車椅子の方が多く、二列目ができた場合は、介助者1名はバギー・車椅子の後ろで座るor立ち膝の状態での鑑賞となり(二列目のバギー・車椅子の方の視界をさえぎらないように)、介助者以外の同行者は、二列目のバギー・車椅子の方の後ろでの鑑賞となります。
アスファルトに立ち膝は、痛いので、クッション性のある敷物があると良いです。
風があり涼しめな日だったため、体温調節が苦手なSくんは低体温になってしまうため、同行者が1時間前から場所取りをして、Sくんと母親はザンビーニ・ブラザーズ・リストランテで食事後そのまま待機し、開演の15分ほど前に鑑賞場所に合流しました。
マーメイドラグーン
アトラクションに乗ることができなくても、空間を楽しむことができます。
キャラクターグリーティング
ハッピーエントリーで入場し、母親がソアリンに行き(Sくんはソアリンの座席に移乗して座位保持するのが困難)、Sくんと同行者はゆっくり写真を撮りながら母親のいるソアリンの出口に向かうため、二手に分かれました。
ディズニーシー・プラザからメディテレーニアンハーバーに出ると、すぐにドナルド発見!
なかなか気付いてもらえず、Sくんの手を振りながら視界に入る場所に動き、ドナルドと写真を撮ることができました!
プルートは、「ここに並んでー!」とジェスチャーしており、写真の列かと思い並ぶと、行進が始まりました(笑)
そのままついていくと、なんと、うしろにはドナルドが並んで行進していたらしく、肩をポンポンと叩かれて振り返ると、再びドナルド!
ミッキーとミニーや、チップとデールもいましたが、帰っていくところをギリギリお見送りできるタイミングで、写真は撮れず。
母親のいるソアリンに向かう途中で、ピノキオ!
ピノキオ達は、一般入場の方が入場してきたあとも、帰らずに滞在していました。
ハッピーエントリーで入場し、一般入場の方が入場するまでの時間は、まだ人が多くないので写真のチャンスです。
朝は、デイジーちゃんに会えませんでしたが、アラビアンコーストで会えました!
ミッキーのグリーティングトレイルに向かう途中とミッキーに会った後に、ライオンキングのティモンに3回も遭遇しました(笑)
ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル
時間的に、複数のキャラクターグリーティングは難しかったため、一番会いたいミッキーに会いにいくことに♪
待ち時間60分となっていたため、ディスアビリティアクセスサービスを活用しました。
ミッキーは、優しく手を包み、母親が写真の確認をしている間は、Sくんにいっぱいお話ししてくれていました。
食事
ホライズンベイ・レストラン
時間の予約と共に、ペースト食の予約もしていました。
大人の食事は、並んで買ってこなければいけないので、母親がSくんと席で待機し、同行者が2人分の食事を購入&ペースト食のお支払いをしてきます。
トレイを席まで運ぶ際は、キャストの方が手伝ってくれました。
ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ
持参したレトルトのペースト食を温めてもらい、注入しました。
リトルグリーンまんは、Sくんは食べれませんが、唇で感触を楽しみました。
ディズニーリゾートライン
最終日は、飛行機の時間に間に合うようにお昼には出発しなければいけないため、パーク内には入らず、ディズニーリゾートラインに乗り3周しました。
ディズニーリゾートラインは、バギー・車椅子・ベビーカーで乗れるように、座席のないスペースがいくつかあります。
一番広いスペースがある車両を案内されますが、先頭車両に乗りたいと伝えると、古い型(2024年5月の時点では、1台だけ古い型が走っていた)のものだと先頭車両には座席なしスペースがないので、古い型が来た場合は見送って次のモノレールに乗るのでもよければと、先頭車両に案内してくれました。
ディズニーシーから舞浜駅の間は、写真のように空いています。
舞浜駅でたくさん人が乗り、ディズニーランドやディズニーシーで降りていきます。
そこで、ディズニーシーで停車中に先頭の大きな窓のところへ行き、舞浜駅までの区間は進行方向の景色を楽しみ、舞浜駅で停車して人が乗ってくる前に急いで車椅子スペースに戻り、いろんな景色を楽しみました。
ずっと先頭の大きな窓の場所にいると、他の子ども達が通れなくなってしまうため、空いている区間にチャレンジしました。