「さぽんて」は、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人が、つながり合い助け合えるプラットフォーム。
看護師・保健師・助産師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士が「さぽんて」に登録しており、いつどんなことをお願いしたいのかをリクエスト掲示板に書き込むと、有資格者が挙手して個別に連絡を取り合いサポートをする仕組みになっています。
(2024年11月現在:対象地域は札幌市)
医療的ケア児のことをニュースなどでも見聞きして、何かお手伝いできないかなと思っていた、緩和ケアの経験が長い看護師さんにインタビューしました。
「さぽんて」をどこで知りましたか?
エルプラザに本を読みに行った時に、掲示板に貼ってあったフライヤーを見ました。
なぜやってみようと思ったのですか?
自分の持っている資格で、何かお手伝いできたら嬉しいなと思いました。
介護施設で高齢者のお話し相手になったり、養護施設で絵本を読むボランティア活動を行ったこともありました。
今回のモニター企画
内容
ご両親が夜間にお出かけをするために、医療的ケア児2名とのお留守番を4時間行いました。
気付き・感想
事前の不安
医療的ケア児のケアのイメージがつかず、人工呼吸器管理の経験もないため、自分の行動が全て命に直結する怖さがありました。
吸引も、大人にはもちろん実施していますが、小児の場合はどれくらいの長さを挿入するんだろうなど、わからないことだらけでした。
医療的ケア児のサポートをするには、クリアしなければいけない課題だと感じています。
これまでも、医療的ケア児に携わりたいと思っていましたが、単発バイトなどは看護師としてお給料をもらって働くことになるため、施設側も経験者が良いでしょうし、いきなり未経験でやってみるのは難しいなと思っていました。
任されるからには、看護師として、一定の水準をみたしているケアを提供したいです。
医療的ケア児に慣れている方に教わりたいなと思っていたので、高橋さんに同行できるならやってみたいなと、挙手してみました。
コロナ禍での経験
コロナ禍に保健所で働いていた時に、在宅の医療的ケア者本人がコロナ陽性で、サービスを全部使えなくなってしまって、入院調整に困っていたケースがあり、訪問診療をしている医師が対応してくれたことがありました。
親が陽性になり体調が悪いなか、サービスを使えず、医療的ケア児は元気というケースもあって、自分が行ってあげたいな、お母さんを助けてあげたいな、という気持ちがあったけれど、役所の人間としてはこれ以上はやってはいけないというボーダーがあるので、もどかしく思っていました。
この事例がなかったら、私も深く考えていなかったかもしれないです。
想像と実際のギャップ
ずっと病棟で働いてきて、訪問看護の経験もないので、家はあたたかいなと思いました。
病室の天井だけを見て過ごすのではなく、家のなかで、日常の音、声、においを感じながら生活しているんだなと。
医療的ケア児のご家族は、外出の機会もなく窮屈な思いをしているのではと思っていました。
安心して行ってきてくださいと言えるような存在になりたいですね。
医療的なケアだけではなく、おむつ交換、体位交換、きょうだいと遊ぶなどは、すぐにでもお力になれるかなと思います。
親の外出時のサポート
外出時に子どもを預けられずに困っている人も多いんだろうなと思いました。
緩和ケアでも、期間が長くなると、ご家族の負担が大きくなっていくのをみてきたので、ご家族のケアもできたらいいな、息抜きの時間もつくれたらいいなと思います。
同行は、学ばせてもらえる場
学びってどんな年になっても大事ですね。
知らないことは、いくらでもあるんだなと思いました。
たくさんメモしてきたので、勉強します。
病院だと、自分だけでは手に負えないときは、周りに頼ることができますが、命に直結することを、自分だけしかいない環境で行うことへの不安はあります。
新卒の頃は、採血がすごく怖かったけれど、今では、たまに失敗することがあったとしても度胸がついて経験値が背中を押してくれることを考えると、経験値を積んで、関わっていけたらいいなと思いました。
「手伝いたいけど、小児の経験値がない」方へ
勉強になりました、楽しかったです、良い機会でした、で終わらせずに、自分にできることを探したいなと思っています。
わからないです、という状態で接するのは失礼かなと思うので、勉強しようと思います。
もしかしたら、「手伝いたいけど、小児の経験値がない」と思っている私みたいな人が他にもいるのではないでしょうか。
看護師それぞれバックグランドが違って、得意とする部分や、未経験の分野は、みんなにありますよね。
モニター企画などで、一緒に勉強しませんか?
きっと「さぽんて」には、想いのある人が集まっているのではと思います。
「さぽんて」とは
医学の進歩や高齢化によって、疾患や障害と共に地域に暮らす方も多い一方で、保険制度内でのサービスのみでは満たしきれないニーズも多く、今後も増えることが予想されています。
この社会課題を解決するべく、NPO法人あえりあが2021年7月に札幌市でβ版をリリースしたのが、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人が、つながり合い助け合うプラットフォーム「さぽんて」です。
登録制で、“リクエスト掲示板”に、いつ、どこで、どんなことを、いくらくらいでお願いしたいのかを書き込み、サポートできる有資格者が自ら挙手して有償ボランティアを実施できる仕組みとなっています。
リクさぽ
・サポートをリクエストする人。
・障害児者・疾患やご高齢によりサポートを要する方とその家族 (WEBサービスであるため、ご本人が操作困難である場合は、ご家族によるご登録・ご利用も可能です)
・プラットフォーム利用料として、1,100円/月
(お得キャンペーン中で220円/月!)
※対象地域:札幌市内のみ
さぽメン
・サポートするメンバー
・看護師・保健師・助産師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士
・有償ボランティア
医療・福祉・介護関連の施設
・スポットのリクエストを掲示板に書き込み、募集することができます。
・プラットフォーム利用料は、さぽんて料金表をご覧ください。
・リクエスト内容は、スポット依頼に限らず、イベントのお手伝い(写真係やブログ記事のライティングなども)、施設内研修の講師、レクリエーションのプログラム考案など、直接的な現場の業務以外も可能。
・人材採用に至った場合も、手数料はいただきません。
人材採用において、ミスマッチを減らすことが、雇用主・有資格者の双方にとってメリットになると考えています。
「さぽんて」活用例
「さぽんて」で外出支援
「さぽんて」できょうだい児と両親がお出かけの間のお留守番
「さぽんて」で看護師 兼 美容師さんが訪問ヘアカット
知的障害児の「あそぶ」をサポート