障害児も参加しやすいイベント開催をする団体・法人のサポート

NPO法人あえりあは、障害児者も参加しやすいイベント開催をする団体・法人のサポートも行なっています。

札幌市から委託を受けた株式会社ポロワッカ様が企画運営を行なった「ワイワイ描くごちゃまぜアート〜共感力を育むアート体験を〜」「みんなでワイワイ♪ふうせん&モルック大作戦」に、インクルーシブ視点のアドバイザーや当日スタッフとして、関わらせていただきました。

株式会社ポロワッカ様に、インタビューさせていただきました。

インクルーシブな子ども向けイベントのアドバイザー&当日スタッフ

なぜ、NPO法人あえりあに声をかけましたか?

インクルーシブなイベントを企画している団体は、札幌市内でも少ない印象があります。
障害児を対象としたイベントはありますが、障害のない子も参加することができて、障害のある子もない子も一緒に楽しむことができるイベントは、多くありません。
今回は、障害の有無に関わらず一緒に楽しんでもらいつつ、イベントを企画運営する側もポイントをとらえることも目的としていたため、NPO法人あえりあの代表 高橋さんなら、意図を理解してもらえるのではと思い、お願いしました。

※株式会社ポロワッカ様が運営する就労継続支援B型事業所「ニポポ」様は、年1回開催している「あえりあマルシェ」にも出店してくださっており、2025年4月に開催した「みんなでたのしむ音楽会」の活動報告も見てくださっていました。

企画段階

運営している就労継続支援B型事業所に通う利用者さんとは接点があっても、障害のある子どもと接したことがあるスタッフがほとんどいない状態での企画でした。
達成したい目標やイベント内容について相談すると、実施するにあたっての条件を踏まえての的確なアドバイスや、押し付けない具体的な提案をしてくれました。
障害児の保護者のリアルな声や、児童発達支援や放課後等デイサービスなどでのあそび方の事例もいただけたので、自分たちでもブラッシュアップすることができました。
イベントを企画運営する側が「まずは、障害児と一緒にあそんでみることが大事」ということを何度か話されていて、言葉では理解しているつもりでしたが、当日に実際に接してみて初めて、その意味がわかりました。

イベント当日

障害のある子や保護者への対応をみて、スタッフが学ばせてもらうことが多くありました。
事前の打ち合わせで言葉で聞いていても、ピンと来ていなかったんだなと実感しました。

“普通”でいいんだ

スタッフは、最初、どうしていいかわからなくて身構えてしまいましたが、高橋さんの対応を見て、「保護者ではなく子どもに、普通に話しかけてる」「かしこまりすぎずに、普通でいいんだ」と気付き、徐々に動けるようになっていったように思います。

その子なりの「できた」

ワイワイ描くごちゃまぜアート〜共感力を育むアート体験を〜」での作品作りでは、企画側の想定している完成物に達しないときに、大人が手伝って完成させようとしてしまい、その子なりの完成でいいという感覚がありませんでした。
マスキングテープを足そうとしているスタッフに、高橋さんが「あの子のハートなので、スタッフが手を加えないでほしい」と伝えていて、無意識に、その子なりの「できた」を尊重することができていなかったんだなと気付きました。
配慮した「つもり」でしかなかったんだなと思いました。

気遣いの方向性

サポートしすぎないことも大事なことであると気付けました。
勝手に「できないかも」と思ってサポートしてしまったり、あまり具体的に聞いちゃいけないのかなと思っていましたが、「何はできるか」「どこまでさせてもいいか」「スタッフが注意することはあるか」などを保護者に聞きながら、一緒に遊べるようにサポートしているのをみて、変な気の遣い方をしていたことに気付きました。

終了後・振り返り

当日を終えてからの具体的なフィードバックもありがたいです。
次のイベント企画に活かせる振り返りができました。
また、事後アンケートでは、専門職がいることで安心という参加者の声も多くありました。
インクルーシブなイベントを実施するにあたって、障害のある子どもにも参加してもらいたいのであれば、参加対象の方々が安心する団体と連携し、その旨を提示することも大事なんだなと感じました。

サポート全体を通して

経験値のある人に関わってもらうことの重要性は、関わってもらってから気付くものだと思います。
企画運営側は、連携先が増えることで手間が増えそうな気がするかもしれませんが、参加者の安心も得ることができ、いろんな人が楽しめて納得するものができました。
そして、次は、自分たちで実践できる実績になっていきます。
経験値のある人や団体と連携して、障害児者も一緒に楽しむことができる場をつくる経験をする人が増えると、インクルーシブなイベントが、もっと増えていくのではないかと思います。